警察・交番からお金を貸してもらえる?公衆接遇弁償費って?

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お財布を落としてしまったり、気がついたら紛失していて、もしかしたらお金を盗まれたかも・・・?

そういうまさかの事態は、いつ誰の身に起きるかわかりません。

今の時代、スマホにおサイフケータイやスマホ決済を登録していれば現金代わりにはなりますが、電車代やバス代など、交通手段の支払いができないと家に帰ることができません。

タクシーなら帰れるかもしれませんが、カード決済には対応していてもまだまだスマホ決済はできないタクシーもあります。

こんな時に頭にパッと思いつくのはやっぱり警察・交番なのではないでしょうか?

交番や警察から、「公衆接遇弁償費」という名目でお金を貸してもらえることがあります。

ここでは、いざという時のためにぜひ知っておきたい公衆接遇弁償費について解説します!


警察・交番からお金を借りることができる公衆接遇弁償費って?

公衆接遇弁償費(こうしゅうせつぐうべんしょうひ)は、お財布を紛失したり、盗難にあってしまって家に帰るお金もないときなどに警察や交番でお金を借りられる警視庁の制度になります。

1968年に警視庁の警ら部長が通達をし、現在も運用が行われています。

<参考>:公衆接遇弁償費事務取扱要綱の制定について(PDF形式:112KB)

ただし、困ったら交番に行けば必ずお金を借りられるということではありません。条件はありますし、自治体などによっては利用できないこともあります。

公衆接遇弁償費でお金を借りられる条件・理由は?

以下に該当するものが公衆接遇弁償費でお金を借りられる条件・理由になります。

1.外出先で所持金を盗まれ、または遺失した者に対する交通費
2.行方不明者等の保護にあたり、応急的な措置に要する経費
3.行路病人の保護または交通事故等による負傷者の救護にあたり、一時的応急措置に要する経費
4.その他公衆接遇の適正を期するため必要とする経費

外出中に気がついたらお財布がなくなっていたという事態は公衆接遇弁償費の支払い範囲に該当することになりますね。

公衆接遇弁償費でお金を借りられるのは交番・警察署だけじゃない!

お財布の紛失届を出すためにも、まずは警察署・交番に駆け込んでも大丈夫なのですが、公衆接遇弁償費は意外と色々な場所で借りることができるんです。

●公衆接遇弁償費を借りられる場所
・交番
・地区交番
・駐在所
・警察署
・企画課
・運転免許試験場
・鉄道警察隊
・地域安全センター
・鉄道警察隊分駐所及び連絡所
・警ら用無線自動車

ちなみに最後の「警ら用無線自動車」は、私たちが日常的に見かけるパトカーのこと。

警察署や交番が近くになかったら、パトカーを呼び止めて公衆接遇弁償費を貸して欲しいとお願いすることもできるわけですね。

公衆接遇弁償費で借りられる金額はいくら?

公衆接遇弁償費は本当に困り果てている人に交通費程度のお金を貸す制度になります。

そのため、借りられる金額は原則として1,000円以下になります。

1,000円を超える場合は、事務担当者などの承認が必要となり交番に勤務しているおまわりさんが自己判断で貸すことはできません。

「急を要し事前に承認を求めることができないときは、事後速やかに承認を受けること」という事後承諾的な処置もあるのですが、これはお金がなくて家に帰れないというケースではなく、外出先で偶然けが人や急病人に出くわしたといった非常に緊急性が高いケースになります。

お財布をなくして家に帰れない・・・という例では、原則として1,000円が上限になると思っておいたほうがよさそうです。

公衆接遇弁償費で警察・交番からお金を借りる方法

公衆接遇弁償費でお金を借りるためには、交番などの最寄りの機関で相談をしなければいけません。

交番にお金を貸して欲しいとお願いすると、おまわりさんは公衆接遇弁償費に該当するかどうかを審査します。

審査といっても消費者金融のように信用情報などを調べられるわけではありません。

公衆接遇弁償費は困っている人を救うための制度なので、条件を満たしていることを確認される程度となります。

ただ、公衆接遇弁償費はお財布をなくしたとか盗まれたといった、いわばトラブルが起こったために家に帰れなくなり困っている人を救う制度になります。

そのため、「家に財布を忘れた」とか「パチンコでスって電車代がなくなった」などの理由で、警察署や交番からお金を借りることはできません。

警察署や交番でお金を借りるときに必要なものは?

公衆接遇弁償費でお金を借りる時には「借受願書」を記入することになります。

記入する内容は、氏名、住所、年齢、電話番号、職業などの本人の情報と、借りた金額や理由など、それから押印または指印になります。

本人確認書類はいらないの?

「本人確認書類は何かある?」と聞かれるケースは想定できますが、お財布をなくした際に運転免許証などの身分証明書を一緒に紛失するケースも珍しくはないので、身分証明書の提出は必須ではありません。

しかし身分証明書がいらないからといって借受願書に嘘の情報を書くのはやめておきましょうね。詐欺罪に該当してしまうことがあります。

1,000円をだまし取ったとして懲役になってしまった残念すぎますよね!

公衆接遇弁償費で借りたお金の返済方法は?

公衆接遇弁償費は困った時に「お金を借りる」制度なので、きちんと返済しなければいけません。

基本的な返済方法は、お金を借りたところに返すことです。

交番で借りたなら交番に持って行く、駅の警察で借りたならその駅の警察に返済するなどですね。

借りた交番・警察に返済に行けないときは?

でも、旅行先や出張先でお金を借りた場合など、直接お金を持っていけない時もありますよね。

そういうときは振込で返済をする、自宅の最寄りの交番に相談してみるなどの返済方法がありますので、お金を借りた交番に相談をしてみてください。

お金を返さなかったらどうなるの?

おまわりさんから借りたお金を返さないという不届き者がいるの?という感じかもしれませんが、いるんですよ・・・。

公衆接遇弁償費で借りたお金を返すことは義務ですので、必ず返済しないといけません。

しかし、公衆接遇弁償費には消費者金融の借り入れのように利息があるわけでもないですし、明確な返済期限も設けられていません。

そのため、心ない人が返済をしないといった例も実際は数多くあります。

現実問題として、多忙なおまわりさんや警察組織が個人に電話や文書で「あの時の1,000円を速やかに返済しましょう」などと催促することは考えにくいですよね。

催促がないから返済しないという人も少なからずいます。

警察から借りたお金とはいえ、元は私たちが払っている税金です。

返済しない悪質なケースには罰則があるのも当然で、2012年には公衆接遇弁償費をだまし取ったとして、57歳の無職男性が逮捕された事例もあります。

1,000円をわざわざ返しに行ったり、手数料を払って振込をするのは面倒・・・と感じるかもしれませんが、借りたお金はきちんと返済しないと自分が困ることになりかねません。

公衆接遇弁償費でお金を借りられないこともある?

公衆接遇弁償費はお財布をなくしたり盗まれたりしたというケースであれば、必ずお金を借りられるという制度ではありません。

交番や警察署で「そういった件では貸せない」と判断されてしまったら、お金を借りることはできないんです。

例えば、すぐに帰宅する手段はないけど夕方になれば保護者に迎えに来てもらえるとか、現金はなくしたけどクレジットカードは手元にあるなどのケースでは、お財布をなくしたことは大変だけど公衆接遇弁償費を適用するケースにはならないと判断されてしまいます。

都道府県や自治体で対応が異なる

最初にご紹介したとおり、公衆接遇弁償費は警視庁の制度になります。この「警視庁」というところがとても重要になります。

警視庁の他に、よくドラマで警察庁という組織も見かけませんか?

警察庁は内閣総理大臣の下に置かれた国の警察行政機関です。一方、警視庁は東京都を管轄する警察組織になります。

つまり、公衆接遇弁償費は東京都の制度になるので、この名目と制度の内容でお金を借りられるのは東京都に限られてしまうんです。

じゃあ、他の地域ではお金を借りられないのかというと、そうではありません。

例えば大阪府には「公衆接遇費 」という名目で取り扱いがあります。

このように、公衆接遇弁償費を利用できるかどうか(警察・交番でお金を借りられるか)は地域によっても変わってくるので、困ったからといって「警察でちょっと借りよう」といった軽い使い方はできないのです。

余談ですが、ピーポくんは警視庁のマスコットなので全国区のキャラじゃないんですね。

警視庁のピーポくんプロフィールにも「都民と警視庁の絆を強めるため「親しまれ、信頼される警視庁」をテーマに、警視庁のシンボルマスコットとして昭和62年4月17日に誕生しました。」と書いてありました!

<参考>:ピーポくんのプロフィール

すごく余談ですが、衝撃を受けたのでお伝えしておきます!

近年は警察からお金を借りにくくなっている

公衆接遇弁償費は全国対応ではありませんし、制度として導入していない都道府県もあります。

こういったところでは警察官として貸すとか制度として貸すわけではなく、おまわりさんがひとりの人間としての判断でポケットマネーでお金を貸してくれることになります。

知らない人にお金を貸すわけですから、お財布をなくしたからといって必ずしも借りられるとは限らないでしょう。

また、借りたお金を返済しない人が多いことから、公衆接遇弁償費自体を廃止しようという声も上がっているのだそうです。

緊急時には公衆接遇弁償費を頼っておいて、助かったら恩を忘れるという使い方をしてしまった人が多いために廃止の声が出てくるのはとても残念なことです。

お金を借りたらちゃんと返すという当たり前のことを当たり前にやらないと、結局、自分たちにマイナスが返ってくるという例ですね。

警察署や交番から借りたお金はきちんと返済しよう!

警察署や交番からお金を借りられる「公衆接遇弁償費」という制度はいざという時のためには覚えておくべきです。

しかし今のような時代なので、警察からお金を借りるのは実際問題として難しいでしょう。

お財布はなくしてもスマホがあれば家族や友人に連絡して助けてもらうことができますし、スマホを一緒になくしても警察で電話を借りたら家族に迎えにきてもらうこともできます。

それにまず、手持ちの現金をなくしてしまってもタクシーで家に帰れば払えるお金はあるという人がほとんどなのではないでしょうか。

また、バッグごと紛失してしまって次のお給料日まで現持ち合わせがないといった最悪の事態でも、カードローンでお金を借りるなど自分でなんとかする方法はあります。

普段はあまり思いつきませんが、いざという時にお金を工面する方法は結構見つかるものです。

色々な借り入れ方法を知りたい方は「お金借りる窓口のトップページ」をご覧ください。

お金を借りたくないとか、タクシー代は高いからイヤだといった、こういった都合の悪いことを回避するために公衆接遇弁償費を利用することはできません。

まずは、考えられる方法を全て試してみて、それでもダメだった時に警察に相談をしてみましょう。

その上でどうにもならなかったら、警察署や交番で公衆接遇弁償費をお願いするというように、最後の手段として考えた方が良さそうです。

警察署や交番でお金を借りられる制度「公衆接遇弁償費」が廃止にならないためにもお金を借りたらちゃんと返済しましょうね!


   

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